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千葉リプロダクション研究会に参加しました

 10月3日(土)に開催された千葉リプロダクション研究会に参加しました。

全12演題のうち当院からは4演題を発表させていただきました。

 

 1つ目は「当院におけるSequential mediumとOne step mediumの比較検討」と題し、卵を体外で育てている培養液について比較した結果を示しました。当院では今回の発表のように日ごろから使用する培養液について検討しており、卵にとってより良い培養液を使用するよう努めています。

 

 2つ目は「低評価胚盤胞移植で妊娠した症例の臨床的背景の検討」と題し、CC評価の胚盤胞の妊娠率などについて示しました。この検討から、採卵時に胚盤胞まで育ったものがCC評価胚盤胞ひとつだけだとしても、凍結する価値が十分にあるということがわかりました。

 

 3つ目は「Embryo Glue有用性についての最終報告」と題し、当院で移植を行なう際のオプションとして使用しているEmbryo Glueという培養液について示しました。検討の結果、Embryo Glueの使用は凍結胚移植において流産率を有意に上昇させることがわかりました。Embryo Glueは着床子宮内膜との接着を促進させるとの報告もありますが、今回の結果から本来着床出来ない胚が着床したために流産率が高くなってしまった可能性が示唆されました。

 

 4つ目は院長が「当院の不妊患者における流産胎児(POC)染色体分析の結果について」と題し、当院で行われた流産胎児の染色体分析について示しました。皆さんが不幸にして胎児が育っていないために流産手術をしなければならなくなった場合、大変ショックが大きいと思います。なぜ胎児が育たなかったのか、その原因を知りたいと思うのは当然のことだと思います。このときPOC染色体分析を行うと流産の原因がはっきりします。

 流産の原因のほとんどが染色体に異常のある受精卵が着床したためなのですが、POC染色体分析では染色体異常が具体的にどのようなものだったのかということまでわかります。ほかの医療機関ではほとんど導入されていない検査ですが、当院では2005年から導入しており、今回はその詳細を報告しました。後日またブログで分かりやすく解説する予定です。

 

 このように当院では、日々の診療に少しでも役立てようと積極的に学会活動を行っています。今回の研究会でもこれからの診療に役立つデータが得られ、大変有意義な研究会となりました。

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